四季の里より

　中山医院院長の中山堅吾です。今回四季の里便りに加わりました。よろしくお願いします。病気について聞きたい話や健康相談等がありましたらお気軽にお尋ね下さい。私にわかる範囲でお答えいたしたいと思います。

今回は最近流行の「メタボリック症候群」について少し書いてみました。

最近、「メタボリックってなんじゃ？」とか「メタボ検診」てなに？とかよく聞かれます。正式にはメタボリック症候群と言うのですが、簡単に言えば糖尿病、高脂血症、高血圧症が原因で動脈硬化になりやすい身体の状態になった人のことです。動脈硬化とは、動脈を水道管に例えれば管の中が錆びる様な状態です。錆びた水道管の様に糖尿病や高脂血症が原因で血管の内側のドロドロになり、狭くなるばかりではなく、ドロドロになった垢がはがれて脳の血管に飛んで詰まったりして脳梗塞症や脳血栓症をおこします。さらに脳の血管には大切な細い血管が多数あり、これらが多発性に詰まると認知症になります。高血圧も動脈硬化の大きな原因です。常に血圧が高いと血管が固くなり詰まりやすく、また破れやすくなります。最近平均寿命が延びていますが、健康に年をとらなくては長生きの意味がありません。“動脈硬化で脳の血管が痛んで認知症になったり、身体が動かなくなって寝たきりにならないようにしましょう”と言う考え方から生まれた新しい概念が「メタボリック症候群」であり、それを見つけるのが「メタボ検診」です。病気を予防して医療費を削減したいと言う厚労省の思惑もありますが、健康に長生きするためには必要かもしれませんね。ただし「メタボ検診」も７５歳以上のいわゆる後期高齢者には制限が設けられているのは問題ですが・・・云々